質問箱​/46 :: 表装工房 Web

質問内容 ^[4]

屏風絵を制作したいのですが、6曲の屏風に表装^[1]してもらうためには2面分ずつ3つの画面に分けて絵を描くべきなのでしょうか。
また、屏風を曲げた時側面の出る箇所（6曲の場合2箇所）については描く紙にどれくらい余裕を残しておくと良いでしょう。

屏風のつなぎ目の部分をどのように意識して処理すればよいのか教えていただければありがたいです。

あと、一般的に表装^[1]してもらう上でどういった状態の紙を使用すればいいでしょうか。
私は日本画は素人なのでアクリル画で制作するつもりです。

よろしくお願いします。

回答 ^[5]

• 屏風用に作品を描く場合、各面につき1枚の紙で描いてください。
  ただし、各面につき最低でも周囲四方1cmが必要になります(折り曲げしろになります)のでつながりを持たせたい場合は、その余白を考慮して描く必要があります。
  
  屏風をたたんだ時に出る箇所は、作品を張ったあとで上張りを張りますので、最低1cmの曲げしろがあればいいです。
  
  使用する紙については、極端に厚いものや糊が馴染みにくいものでなければ問題ないと思います。ただし、洋紙は避けたほうが無難です。裏打ち^[6]するなら麻紙や画仙紙のようなもの、裏打ち^[6]しないなら鳥の子紙がよいでしょう。 -- 表装^[1]工房 2009-09-17 (木) 08:42:43
• おお！
  解りやすい説明ありがとうございます！！
  
  つながりのある絵なのですが、屏風に貼り付けるときに縮んだりしてずれが出るのでは、とか心配もあります。
  その点はどう考えればよいでしょうか。
  
  ちなみに、金箔を使用するつもりなのですが（ほぼ全面に金箔か洋箔を張るつもりです）、たたんだ時に出る面の上張りを考えると曲げしろ部分はどのように処理すべきでしょうか。
  追加質問すいませんが、よろしくお願いします・・ -- ゲスト 2009-09-17 (木) 20:21:23
• つながりのある構図の場合、ミリオーダーでの作業は表具師^[7]の腕の見せ所でもあります。ただ、紙自体が伸び縮みしてしまう場合、合わない箇所ができてしまうことは物理的にどうしようもありません。
  伸び縮みする素材に描く場合は、先に表具師^[7]に裏打ち^[6]をしてもらってから描くと誤差が少なくなります。
  つながりを完璧にしたい場合は、屏風に仕立てたあとで絵を描くということも選択できますが、屏風の大きさによっては絵が描き辛くなることもあると思います。
  
  また、金箔を施す場合は、折れ曲がる部分は部分的に270度ほど曲がりますので、剥離しないように接着する必要があります。
  また、たたんだ時に出る面("オゼ"と呼びます)は、角から1〜1.5ミリほどは作品面が出ますので、少なくとも5ミリは金箔を伸ばしておいたほうが綺麗に仕上がります。 -- 表装^[1]工房 2009-09-18 (金) 12:02:28
• 本当にありがとうございます。
  とても解りやすいアドバイスをいただけて助かりました。
  
  最後にお聞きしたいのですが、
  屏風一画面分のサイズは60センチ強×172センチくらいがだいたいの規格になるようなことをどこかのサイトで見たので、そのようにしようと思うのですが、問題ないですか？
  正確なサイズのアドバイスなんかがあればお願いします。 -- ゲスト 2009-09-19 (土) 03:58:49
• 返信遅くなりました。
  
  六曲屏風の寸法については、特にこれでなくてはという決まりはありません。
  目安として、縁も含めた仕上がり寸法で高さは鴨居下(敷居から鴨居までの高さ(縁を除いた寸法で169〜172cm程度))幅は広げて二間(にけん=約360cm(縁は2cm×2あるので一枚当たりは53cm程度))となるようにしますが、地方や家屋によりその寸法が違いますので、実際に屏風を収める場所にあわせて決められるとよいと思います。
  
  また、決まりはないのですから作品にあわせて自由に決められたらよいと思います。（あまりに大きいと材料費が極端に上がってしまいますが。） -- 表装^[1]工房 2009-09-28 (月) 09:19:58
• なるほど、わかりました。
  たくさんの疑問に答えていただいて本当にありがとうございました。
  また何か疑問がわいてきた時は質問させていただきたいので、よろしくお願いします。
  
  この質問は解決済みとしてもらっていいのですが、やりかたがわからないのであとはよろしくお願いします。 -- ゲスト 2009-09-28 (月) 18:17:40